鴨川もるもー

日々の日記、雑記ブログ

窓ぎわのトットちゃん 著:黒柳徹子

黒柳徹子さんの自伝的小説です。

驚く程、繊細な子供の感性を持ってして記述されています。

窓ぎわのトットちゃん。

その名前を聞いたことがあっても、それが黒柳徹子さんの自伝的小説だなんて知りませんでした。

一時期、同作の映画化に辺りテレビでのプロモーションも多く、同時に黒柳徹子さんの生い立ちにも興味を持ちました。
原作が子供向けの単行本ということもあり、購入することに。
子供向けの本なら読みやすく、読み終えても子供に渡せば、子供も読むかもしれない。そんな淡い期待もありました。

読んでみると予想の通り、読みやすいように句読点が小刻みにテンポ良く打たれており、言葉もほとんど難しい単語が出てこないため、ストーリーと感情の起伏に集中して読み通すことができました。

主人公である黒柳徹子さん。つまりトットちゃん目線で話が書かれていますので、感情の起伏がそのままの文章で表されており、文章そのままの意味を咀嚼して読み進めればいいですので、非常に読みやすくありました。
トットちゃんの身の回りの出来事をそのまま疑似体験をしながら、同じように驚いたり、喜んだり、悲しんだり、笑ったりすればいいのです。

いくら読みやすいと言っても、大人の読書スピードを持ってしても、一気には読み切れない程のボリュームがあります。小さな子供の手にも手に余るぐらいのページ数です。
果たして、子ども達は食い入るように、時間を忘れて読むのでしょうか。

子供の集中力は目を見張るものがありますので、そうであって欲しいなと思う反面、押し付けは良くないので、興味が無ければ無理に読まなくていいとも考えてしまいます。私のように、大人になってかなりの年月が経過してから読んでもいいのです。物語は色褪せません。

読んでみると、社会で生きていく上で本当に大切なことが、沢山書かれています。
自分に正直であること、そして自由に、生き生きとすることが人間にとって大切なことだと教えられます。また人の痛みが分かること。これも社会で生きていく上で、大切なことです。
子供だけではなく、子育てをしている親御さんにもオススメです。子育てで悩むことに直面しても、少し落ち着いて物事を見れるようになります。

表紙や挿絵のいわさきちひろさんのイラストも、とても可愛らしく、この本にピッタリです。このイラストを眺めていると、子供って本当に愛おしくて、かけがえのない存在なんだなと、再認識できます。


まさかあの黒柳徹子さんが、こんな破天荒な少女時代をお過ごしだったなんて、当初は想像すらできませんでした。
でも読み終えた後に黒柳徹子さんを見ていると、ああいった少女時代をお過ごしだったからこそ、今のような天真爛漫な黒柳徹子さんに成長されてたんだな、妙に納得してしまったりもします。