ビートたけしこと、北野武さんが書いた、カラーの挿絵入り思い出エッセイです。
たけしくんがHighになったり、灰になったりと、色々なたけしくんが楽しめます。
すみません、冗談です。
この本もいつもの通り薄くて、内容も簡素で読みやすく、しかしながら見事に読者の五感に訴えかけます。
小学生の読書感想文なんかにも最適じゃないですか?知りませんけど。
あの世界のキタノの味のあるイラストが楽しめるのも、この本の特徴です。ありがたやー、ありがたやー。
各エピソードも情けなかったり、切なかったりして、今は大成功者だから笑い飛ばせてるからいいものの、赤の他人の情けないで人生終わっちゃったら本で読んでも笑えませんよ。
昔から、成功者の昔話が好きなんです。
読んでいて思うのが、やっぱり成功者って五感が優れてます。五感って言っても、五感だけじゃなくて、心理面も含めたあらゆる感性のことですね。喜怒哀楽とか、感情豊かなんですよね。
今時は生きていると、感情を押し殺す場面も多いですけど、それはそれであんまり良くないのかなとか。悔しがったり、泣いたりするのって、ある意味、偉業を成し遂げる人の共通項だったりして。
読んでても時代を感じますよね。
友達のボロ家の柱を切って家ごと壊したり、今ならアウトですよ。多分昔でもアウトなんでしょうけど。
挿絵も最後の方は、ちょっとしたイラストと構成のメモ書き文みたいなのが添えてあって、最初よりだいぶ挿絵小さいなぁって。
最後のおやじの形見の話なんて、あんなもん反則ですよ。
今まで散々おやじのどうしようもない話並べておいて、最後にあれですもん。泣けてきますね。
こうやって読んでいても、たけしさんの人間愛が随所に感じ取れるエッセイであります。
今週のお題「最近読んでるもの」