鴨川もるもー

日々の日記、雑記ブログ

弘法大師空海と出会う 著:川崎一洋

お寺巡りをする中で、個人的には避けて通ることができないと思っている、空海さんについて書かれた本です。

前半は面白く読ませてもらいましたが、後半になるにつれ頭から煙が出てくることになりました。私には少々難しかったようです。漢字が多い!でもちゃんとふりがな振ってあるのでご安心を。
少しでも空海さんのことを知ることができ、嬉しく思います。


お寺を回っていると、頭に菅笠を被っている像を多々見かけました。
最初は気にならなかったんですが、別のお寺にも同じ像があります。そしてまた別のお寺にも。
さすがにこう何度も見かけると、気になってきまして、その像こそが修行中の空海さんの像だった訳です。空海さんって何者?というところが、興味を持ったきっかけです。


歴史系は苦手で、ほとんどノータッチで生きてきましたが、改めてこの本を読むと、謎や驚きの連続です。
空海さんどうやって遣唐使のメンバーに入れてもらえたの?とか、風と潮の流れ任せの命がけの航海なんて嘘でしょ!?とか、20年の留学期間を2年に短縮とかやり過ぎじゃないか!?とか、それだけの荷物どうやって唐から持って帰ったの!?航空便か!とか、そんなことばっかりが続きます。

そもそも、仏教って一括りにしてしまいますけど、宗派とか色々あるんですね。そこのところが理解進んでなくて、何でその当時はそんなに仏教のことで一生懸命だったの!?って不思議に思います。きっと当時の一大関心事だったんですね。
不謹慎ですが、現代風に漫画とかにすると分かりやすいのですが…。〇〇系ラーメンの主導権争い漫画とか。

伝説や言い伝えの内容も興味深いです。
唐から投げた三鈷杵が、高野山の松の木の枝に掛かっていたと。ふーん。
いろは歌の創作も空海さんだという言い伝えもあります。
空海さんが村人から「これは食べられない食べ物だ」と、分けて貰えなかった食べ物は、本当に食べられなくなっちゃたと。
えっ、岩も法力で捻じ曲げたの!?何でもありやなぁ。
衛門三郎さんの話も、やり過ぎやろー。21周目でようやく再開とか、四国もかなり広いぞー。
五筆和尚の話も、両手+両足+口に5本の筆を執り、書き上げたってそんな無茶な。

そんな、数々の伝説や言い伝えに彩られていると、余計に実像にも興味が出てきます。実際はどんな人だったんだろうなぁ。


後は、種智院の開設や満濃池の修築と、仏教以外も多才ですな。
種智院の開設は分からんでは無いですが、満濃池の修築は土木分野ですよ!そんなことまでやってのけるなんて、ほんまにスゲーな!空海さん!

「弘法にも筆の誤り」、「弘法筆を択ばず」と、今でも使われることわざもこの空海さんが由来となっています。至るところに空海さんがいますね。影響力半端ないです。


高野山では、空海さんは今でも生きたまま永遠の禅定をしているので、入定されたと。毎日2回のお食事も提供されているようです。たまにはカレーやシチュー、パスタなどの洋食メニューもと。
面白いなぁ。現代風の洋食もお口に合いますでしょうか。

色々な切り口から空海さんのことを述べた本なので、私のような素人でも、はたまた仏教にも少しお詳しい方でも、楽しめる内容となっています。
最後まで読むと、おびただしい数の参考文献にも驚かされます。

南無大師遍照金剛