鴨川もるもー

日々の日記、雑記ブログ

草木の種子と果実 誠文堂新光社

様々な草木の種子が掲載されている図鑑です。

専門書ですが、少しでも草木に興味があるなら、パラパラ眺めているだけでも十分面白いですよ。日常生活には、役に立つとは思えませんけど。
まぁ、教養として。


種子ってまじまじ見ることは滅多に無いですが、見れば見る程面白いんです。
種子には、各植物が生存競争を生き抜くための仕掛けが隠されています。

例えば、種子のばら撒き方。

自然落下の重力散布や、爆発型の自動散布。
カラスノエンドウなんかは、時期が来るとパチパチパチって種子が弾け飛んでいきます。その時期になれば、耳を澄ませると、何もしなくても聞こえてきますね。風で揺れた刺激だけでも、弾け飛んでしまうのでしょうか。

鳥などに食べられる、被食散布。
食べられて、どこか別の場所でフンとして排出されます。動物の体内に取り込まれることで、更に発芽に適した状態になるんでしょうね。消化液を浴びたり、一定の温度を経験したりするのが、発芽のための条件になってたりして。

トゲトゲやネバネバ種子の、付着散布。
いわゆる、くっつき虫ですね。子供が公園に行くと、これ外すの大変なんですよね。秋口はナイロンズボン履かせないと。スニーカーの紐も大変なことに。
それぐらい、強力な仕組みなんです。

フワフワ漂う、風散布。
タンポポ類が1番有名どころですね。その他は、比翼を持つ種子も。カエデだったか、子供の時に上に放り投げて落ちてくる様を見て遊んだような。細かな粉状の種子も、風散布の仲間だそうです。

水に漂う、水流散布。
これは個人的に馴染みはありませんが、水辺や海岸の植物はこの仕組みを持つ種子も多いようです。ちょっとじっくり観察してみたいですね。


基本的に種子は、小さくて固そうな形をしています。
これは日本が四季を有していることも影響しているでしょう。
秋に種子を飛ばすパターンだと、その場で発芽しても越冬するのは大変なので、翌春発芽できるように丈夫な特性を持つ種子が生き残っているのでは。
こんなことを想像しながらページをめくるのも面白いですね。

そして、どんぐりも多数掲載されているので、その気にもなればどんぐり博士にもなれます。
これで子供にも大人気、女の子にもモテモテ間違いなしです。