鴨川もるもー

日々の日記、雑記ブログ

サタンがクリスマスにやって来る

この家庭には、クリスマスに世間一般で言うところのサンタさんはやって来ません。

代わりにやってくるのはサタンさんです。


サタンさんも、サンタさん同様、子供達が本当に大好きです。
クリスマスにはプレゼントをくれます。

そのプレゼントとは、子供にとって重い負荷となるような過酷な課題や試練の類いです。
サンタさんは笑顔で一言。
メニー苦しみます。

一方の子供はサタンさんが嫌いです。
子供にとって、重い負荷となるような過酷な課題や試練の類いは、決して歓迎されるものではありません。

子供が欲しいのは、おもちゃやゲーム等、遊んで楽しむことのできる物なのです。
メリークリスマス。
子供も、そういった物をくれる、サンタさんの方が大好きです。


ですが、この家庭にはサンタさんではなく、サタンさんしか来ないのです。
子供は自らの境遇を呪いました。
泣きながら、毎年毎年与えられる過酷な課題や試練の類いをこなしていくのでした。


数年経ったある時、一回りと二回りも成長している自分に気が付いたのです。
その時初めて、サタンさんに感謝することになりました。

自分が本当に欲しい物は、安易に他人から与えられるのではなく、自らの両手で掴み取るのだと。
サタンさんは、何でも掴み取ることができるこの大きな両手と、苦労を苦労と思わない屈強な精神を与えてくださったのだと。

本当に、心から子供のことを考えていたのは、サンタさんではなくサタンさんだったのです。


こうして、サタンさんは時代を越え、脈々と受け継がれていくのでした