鴨川もるもー

日々の日記、雑記ブログ

青年はギターを背負って旅に出る

アコースティックギターを背負って野宿旅に出た。
移動手段は125ccのホンダのバイク。
寝袋とテントを積んで海岸沿いを北に向かって走れば、泊まる所も何とかなるだろう。

どうせ数日のことだし、あまり深くは考えない。足りない物は現地で買えるし、旅に飽きたら帰ればいい。
雨が降った時のことは…、考えてなかった。合羽はあるが、ヤマハのアコギも濡れると具合は悪いだろう。買った時に付いていた付属のソフトケースなので、防水効果はほとんど期待できない。
まぁ何とかなるさ、ケ・セラ・セラ。

海岸沿いを走って、人のいない見晴らしの良い所でギターを弾く。誰にも迷惑をかけないし、きっと気持ちがいいものだろう。ボディから響き伝わる音の振動は、何よりも自分自身を温め励ましてくれる気がする。

市街地を通り、海岸沿いに向かう途中、低い高架下を通り抜けた。
その瞬間、背負っていたアコースティックギターが高架下の鉄骨と接触した。
幸い転倒まではしなかったが、嫌な予感がする。
ギターのソフトケースを開けると、ネックが折れていた。ギターにとっては致命傷だ。
背負ったギターの上部が、自分の身長以上に飛び出していたのを忘れていた。



パチ、パチパチ。パチ、パチ…。
夜の砂浜での焚き火は、自分自身を温め励ましてくれる。
今夜はここにテントを張り、寝るとしよう。そして、明日も海岸沿いを北上しよう。まだ旅も始まったばかりだ。これからどんな出会いと別れがあるのだろうか。

それにしても、よく燃えるな。このギターは。