鴨川もるもー

日々の日記、雑記ブログ

お気に入りの喫茶店

ここは古びた商店街に入っている、年季の入った喫茶店
看板や門構え等に時代を感じるが、清潔に保たれており、嫌な印象は受けない。むしろ自分にとっては居心地の良い、リラックスできる空間である。

ここのランチセットのオムライスがとても美味しい。食後のコーヒーを飲むのも至福のひと時である。この空間だけは時間もゆっくり流れる。そんな気がする。

「いらっしゃいませ、お一人様でしょうか。こちらのテーブルにどうぞ」
いつもの黒髪ボブカットの若いお姉さんだ。誰にでも親切にしてくれる。
この店はマスターとアルバイトの子の二人体制だ。よく利用するので顔なじみになってしまった。

「オムライスセット1つ」
「かしこまりました」

手帳を開け、午後の予定を確認していると、早速オムライスセットが出てくる。このお店は手際が良いのだ。

オムライスも何てことない料理なんだが、懐かしい味がして美味しく感じる。いつも食べているが、飽きが来ない。不思議なものだ。
そう思っている内に、軽く平らげてしまった。

「食後のコーヒーをお持ち致しますね。おさげしてもよろしいでしょうか」
「お願いします」

「おさげおさげ…」
いつものように、その場で髪を三つ編みにし出した。
「髪をおさげに致しました。いかがでしょうか」
とニッコリ微笑んだ。ボブカットの襟足は三つ編みに結えられ、赤いヘアゴムで束ねられている。
「とても良く似合ってます」

髪はおさげにしてくれるが、テーブルの上のオムライスのお皿は下げてくれない。
でも、まぁいいか。

おさげの女の子のことを考えながら食後のコーヒーを飲んでいる。