鴨川もるもー

日々の日記、雑記ブログ

手塚治虫−未来からの使者 石子順

子供向けに、手塚治虫について書かれた本。

個人的に子供向けの本は気に入っている。
理由は大きな字で、平易な言葉を用いて書かれており、子供はもちろんのことだが、大人ならなおさら理解しやすいからである。
この本も非常に読みやすかった。しかし、子供向けだからと言って、手塚治虫にまつわる話の面白さは色褪せない。大人にもまっすぐに突き刺さる話ばかりである。

当たり前だが、手塚治虫も一人の人間。夢を追いかけて、泣いたり、笑ったり、決断したり、喜んだり。喜怒哀楽と夢への熱量が、様々なエピソードを通じて伝わってくる。

子供の好きな事、得意な事を認めて、伸ばしてあげること。
頭では理解できても中々実行することは難しい。手塚治虫は周りの環境にも恵まれていた。誰だって、得意なことを認めて貰えると嬉しいもの。

そして何よりも、自分の気持ちに正直で努力家。早い段階で自分の使命を悟っていた。
この自分の使命を悟るという点が、1番の原動力になるのだろう。そうでなければ、何十年もほとんど休みなく働き続けることなんてできないだろう。

自分に置き換えてみても、そんな使命は思い浮かばない。感情が豊かって大切なんだな。
孔子も「五十にして天命を知る」と言っているので、もう少し考えてみるか。

同じ仕事をするにしても、この使命を認識して実行しているのかどうかという違いは、雲泥の差である。
急がば回れ
人生、きっと遠回りも大切。様々な体験が血となり肉となり。

今思うと、60歳で亡くなられるなんて早かったんだな。生き急ぎ過ぎたのかな。
でもこんなに命を全うできるなんて、何だか羨ましくも思う。